あなたの職場はデジタル化が進んでいますか。
会議では Teams を使い、 議事録をオンタイムで作成し、
大型モニターに画面を映しながら進める──
一見すると、デジタル化が進んでいるように見えます。
しかし、会議の“中身”はどうでしょうか。 ロジカルに進んでいますか。
データを使って議論できていますか。
もし「旧態依然としていて、なんとかしたい」と感じているなら、
あなたは私と同じ悩みを抱えているのだと思います。
実は私も、まったく同じでした。
そんな中、ある出来事をきっかけに
「デジタル化が進まない職場の本質」が見えてきたのです。
私の部署は分析業務が中心で、
今回、5S活動の一環として“分析室の問題点”を洗い出すことになりました。
若手の5S推進者たちは、 Teams に PowerApps を貼り付け、
全員にアンケートを提出させました。
大量の意見が集まり、私自身も「いい指摘だ」と思う内容が多かった。
しかし── 打ち合わせ当日の朝になっても、
誰もそのアンケートを集計していないのです。
前回も同じでした。
結局、集計も分析もないまま、
「何か意見はありませんか?」と会議が始まり、
声の大きい人の発言で方向性が決まってしまう。
“なんのためのアンケートなのか?”
私は管理職を降りた身ですが、
この非ロジカルな進め方にどうしても我慢できませんでした。
そこで、限られた1時間でアンケートを集計し、
重複意見を整理し、優先順位をつけて会議に持ち込みました。
その結果── 会議は驚くほどロジカルに進行したのです。
この記事では、
「Teamsのアンケートが集計されない職場は、なぜデジタル化が進まないのか」
その本質を、私の体験をもとにお伝えします。
第1章:アンケートを“データ”として扱うための準備
1-1 まずはアンケートを層別し、S→Q→Dの順に整理した
打ち合わせ当日の朝、誰もアンケートを集計していない状況でした。
このままでは、また「何か意見はありますか?」と始まり、
声の大きい人の発言で方向性が決まってしまう──
前回と同じ失敗を繰り返すだけです。
そこで私は、限られた1時間でアンケートを 層別(S・Q・D) しました。
- S(Safety:安全)
- Q(Quality:品質)
- D(Delivery:作業効率)
さらに、S・Q・D のどれにも当てはまらない意見については、
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に関わる内容として
「その他5S」に層別しました。
機器分析の現場では、 安全 → 品質 → 効率 の順で優先順位が決まっています。
だから議論もこの順番で進めるべきだと判断しました。
さらに、各項目の中で 多数意見 を抽出し、
「どの問題から手をつけるべきか」が一目で分かるように整理しました。

1-2 多数意見について“不具合”と“想定被害”を明確化した
層別しただけでは、まだ議論はロジカルになりません。
そこで私は、多数意見について
- 何が不具合なのか
- どんな被害が起こり得るのか
を簡潔にまとめ、会議で共有できるようにしました。
安全や品質の議題は、 感情論や不満が混ざると一気に方向性がブレます。
だからこそ、事実ベースで問題を認識してもらう ことを重視しました。
1-3 改善策は事前に用意し、議論を“前に進める”設計にした
アンケートには、 「問題点」だけでなく「改善策」まで書かれている意見は
ほとんどありませんでした。
そのまま会議に持ち込むと、 結局は文句の言い合いになり、
議論が前に進まないことが分かっていました。
そこで私は、S(安全)とQ(品質)の多数意見について、
事前に改善策を用意しておきました。
- すぐ実行できる対策
- 設備や備品の購入が必要な対策
- 運用ルールを変えるだけで済む対策
こうした案をあらかじめ整理しておくことで、
会議中に「どうする?」と迷う時間をなくし、
議論を“前に進める”状態を作ることができます。
本来であれば、 購入が必要な対策については
Excelに“購入リンクを貼る列” を追加し、
会議後すぐに発注できるようにしたかったのですが、
今回は 紙で配布して立ち会議にしたため、リンクは貼れませんでした。
ただし、紙で配ったことで
- 編集に気を取られない
- 思いつきの修正が入らない
- 不平不満が出にくい
- 議論が目的からブレない
というメリットがあり、 45分で議論をまとめるには最適な方法でした。
会議後に、購入が必要な対策については
Excelにリンク列を追加して整理し、
実行フェーズに移す準備を進めました。
1-4 決定は“多数決”で行い、思いつき会議を封じた
改善策の選定は、 その場で多数決 をとりました。
- 声の大きい人に左右されない
- リーダーの気分で決まらない
- 全員が納得しやすい
- 決定が早い
多数決は、現場の民主的な意思決定として非常に有効です。
その結果、 重点項目の対策案を全員で共通認識することができました。
これは改善活動において、最も重要な成果です。
1-5 紙で配布し、立ったまま45分で会議を終えた
今回の会議は、あえて
- 紙のフォーマットを配布
- 立ったまま実施
というスタイルにしました。
パソコンを開くと、 数名が“編集”に意識を奪われ、
ツールが目的化してしまうことが多いからです。
紙であれば編集できないため、 議論が目的からブレません。
さらに立ち会議にすることで、
- 不平不満が出にくい
- 脱線しない
- 決定が早い
という効果があり、 45分で議論をまとめることができました。
第2章:まとめ── デジタル化よりも先に必要だったのは“ロジカルな進め方”だった
今回の改善活動を通じて強く感じたのは、
デジタル化が進まない理由はツールではなく“進め方”にある ということでした。
Teams や PowerApps を使ってアンケートを集めても、
集計されず、議論に使われなければ意味がありません。
どれだけ便利なツールを導入しても、
ロジカルな運営がなければ、会議は結局“思いつき”で進んでしまいます。
私はアンケートを層別し、
S(安全)→Q(品質)→D(効率)の順に多数意見を整理し、
改善策を事前に準備して会議に臨みました。
紙で配布し、立ったまま45分で議論したことで、
不平不満や脱線が起きず、 重点項目の対策案を全員で共通認識することができました。
特別なスキルや高価なツールは必要ありませんでした。 必要だったのは、
- 優先順位をつける
- データで話す
- 対策案を用意する
- 多数決で決める
という、シンプルでロジカルな進め方だけでした。
デジタル化は目的ではなく手段です。
まずは “ロジカルに進める仕組み” を整えることが、
デジタル化を活かすための第一歩だと実感しました。
この記事が、 あなたの職場の会議や改善活動のヒントになれば幸いです。

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