『ほんとにあった怖い話』の名作エピソード「顔の道」(2009年放送)は、
佐藤健さん演じる翔太郎が恋人と釣りに出かけた帰り道、
山中で不気味な電話ボックスに遭遇するというストーリーでした。
公式にはロケ地の詳細は明かされていませんが、
映像や設定から推測できる要素を構造的に整理してみました。
推測できる要素については、次のようになります。
山道と電話ボックスという背景から、ロケ地の状況がある程度想定できます。
また当時のフジテレビによる撮影の傾向と制作する上での事情などからも
ロケ地の選定方法が見えてくると考えられます。
さらに当時でも電話ボックスが存在しているということで、
道路状況も推察できます。
改めてその要素は次のようにまとめました。
さあみなさんで一緒に確認しましょう。
山道と電話ボックスの描写
撮影の傾向と制作背景
電話ボックスの存在
山道と電話ボックスの描写
・古びた電話ボックスが山中の道路脇にぽつんと立っている。
・周囲は木々に囲まれ、交通量は少ない。
・釣り帰りという設定から、川や湖が近くにある可能性。
このようなロケーションは、関東近郊で言えば以下のような場所が候補になります。
表.1「顔の道」ロケ地候補一覧
ロケ地推測 | 理由 |
---|---|
奥多摩 | 山道、川、電話ボックスの条件が揃いやすい |
秩父 | 釣りスポットが多く、山道も豊富。 |
丹沢(神奈川県) | 釣り場と山道が近接しており、ロケ地としても よく使われる。 |
高尾~陣馬山周辺 | 都心からのアクセスもよく、撮影に適している。 |
想い返してみると、丹沢とか高尾山って、キャンプ場も多いし、
家族ずれで賑わっていて、
特に週末とか休日は渋滞するイメージですよね。
きっと二人は週末や休日を利用して釣りに来ていたと考えられるので、
丹沢とか高尾山の場合、渋滞にはまるか、そこまでいかなくても、
交通量がもつと多いんじゃないでしょうか。
ですから電話ボックスがぽつんとしているイメージがないんですよね。
撮影の傾向と制作背景
フジテレビのドラマは、都内から日帰り可能な場所で撮影されることが多い。
2009年当時の制作体制では、
ロケ地の選定に「交通の便」「撮影許可の取りやすさ」が重視されていた。
フジテレビはお台場に本社を構えているので、
都心からのアクセスが良い場所を選ぶことで、
移動時間やコストを削減できるメリットがあったそうです。
そりゃそうですよね。
高速降りてすぐ本社ですから、
特に高速近辺の場所であれば、移動時間は他社より、
大幅に削減できますよね。
表.2 お台場から候補地各へのアクセス状況
ロケ地候補 | 所要時間 | |
---|---|---|
奥多摩 | 約2時間 | 首都高→中央道→青梅街道 |
秩父 | 約2時間30分 | 首都高→関越道(花園I.C) |
丹沢 | 約1時間30分 | 首都高→東名高速(厚木I.C) |
高尾山~陣馬山周辺 | 約1時間10分 | 首都高→中央道(高尾山I.C) |
ということで、アクセスしやすさなら、丹沢、高尾山~陣馬山周辺になります。
一方撮影許可のとりやすさは、次のようになっています。
表.3 ロケ地候補について撮影許可のとりやすさ一覧
ロケ地候補 | 撮影許可のとりやすさ | 支援体制 |
---|---|---|
奥多摩 | とりやすい | 秩父市や長瀞町などが、観光、撮影支援に積極的。 |
秩父 | とりやすい | 奥多摩町や青梅市が撮影支援を行っている。 |
丹沢 | やや難しい | 神奈川県の自然公園区域が多く、 環境保護の観点から制限がある。 |
高尾山~陣馬山周辺 | やや難しい | 観光地として整備されているが、 混雑や宗教施設(薬王院)など配慮が必要。 |
ということで、撮影許可のとりやすさなら、奥多摩、秩父方面となりました。
電話ボックスの存在
現代では希少な存在となった電話ボックス。
2009年時点でも「山中に残る電話ボックス」は珍しかった。
撮影用に設置された可能性もあるが、実在する場所を使ったとすれば、
廃道や旧道沿いの可能性が高い。
さらに廃道や旧道の状況を次にまとめてみました。
表.3 ロケ候補地の廃道・旧道の量一覧
ロケ地候補 | 廃道・旧道の量 | 主な背景要因 |
---|---|---|
奥多摩 | 多い | 林業・鉱山・ 旧街道 |
秩父 | 多い | 鉱山・信仰。峠越え |
丹沢 | 中程度 | 鉱山、登山道の返還 |
高尾~陣馬山周辺 | 少なめ | 信仰・参道道 |
まとめ:構造的推測
「顔の道」のロケ地候補の条件となる要素について、さらに目的をより明確にするため、
表現方法をかえてみました。
・都心から3時間以内でアクセス可能→これを制作効率とします。
・撮影許可が取りやすい自治体→これを支援体制とします。
・廃道や旧道が多い
→電話ボックスが設置可能なスペースまたは電話ボックスがすでにある。
→これを演出の自由度とします。
視聴率の挙げるためのドラマ制作での制作の優先度からすると、
1.演出の自由度 > 2.支援体制 > 3.制作効率 と考えられます。
表.4 ロケ地ついての評価のまとめ
ロケ地候補 | 演出の自由度 | 支援体制 | 制作効率 |
---|---|---|---|
奥多摩 | 〇 | 〇 | 〇 |
秩父 | 〇 | 〇 | △ |
丹沢 | × | × | ◎ |
高尾山~陣馬山 | × | × | ◎ |
したがって、ロケ地は奥多摩〜秩父エリアの山道沿いと特定しました。
ですから皆さん、奥多摩、秩父方面でドライブする場合は、
昼間でできるだけ大人数のほうが良いと思いますよ。
それでも電話ボックスを見つけてしまった場合は、
そうですね、出来る限り見ないようにしましょう。
最期までお付き合い頂き、ありがとうごさいました。
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